
精神科医の野又美乃です。
みんなからはよっちゃんと呼ばれています。
3万人の臨床経験があり、
自分の力で人生を飛躍させたいと考える方を対象に、
「心の扉全開アカデミー」を主宰しています。
「夏休みの宿題が終わったら『鬼滅の刃』見に行きたい」
息子からねだられ、約束してました。
しかし、ここだけの話、正直、私は乗り気ではありませんでした(爆)
アニメは見たことがあるものの「鬼殺しの戦いのシーンがグロい」というのが本音。夫に頼んだら「俺も興味ない」と一蹴され、私の好きな他のSF映画を提案しても息子は「キメツって約束したでしょ」の一点張り、
その映画レビューをお伝えします!
ココだけの話、しぶしぶ映画館に向かったら
うちの子は怖がりのくせに『鬼滅の刃』が大好きで、いつも恥ずかしがりやで照れ屋なんです。甘えん坊ですぐ泣くけれど、友達や大人問わず誰からもとても好かれる優しさを持っています。まさに善逸にそっくりなんです。
そんな、善逸のようなキャラクターの小学生の息子が
「ママー、夏休みの宿題が終わったら『鬼滅の刃』見に行きたい( ^)o(^ )」
と、とても楽しみにしていたんですね。わたしは約束したものの、じつは正直、乗り気ではありませんでした。アニメや漫画は見たことがあるものの、「鬼殺しの戦いのシーンが、グロくて嫌」というのが本音(爆)
夫に頼んでも「俺も興味ない」と一蹴され、他のSF映画、アニメ映画を提案しても息子は「いやだよ、キメツがいい」の一点張り。
仕方なく、しぶしぶ映画館に向かったのですよね💦(鬼滅の刃ファンの方、ごめんなさい🙇)
ところが—
想像を遥かに超えた傑作だったのです(泣)
朝8時半のその日の1回目の、早朝上映。
いつもギリギリ朝寝坊の息子が、めちゃくちゃ張り切って「ママ、早く起きてよ」と、早起きしています(驚)←鬼滅のの力は偉大👏👏👏
映画館は家族連れでごった返し、早朝なのに満席‼ 孫、親、祖父母、3世代、横並びで一緒に観ている家族も何組もいました!
「こんなにファミリーで楽しめる映画って珍しいよね、うちも連れてきたらよかったかな」と思いながら上映開始まで20分も宣伝(^-^;
ようやく始まると、スクリーンに映し出される、息を呑むほど美しい映像で、展開も面白すぎて、殺し合いも血液シーンも、まったくグロくない。むしろ、美しいんですよ!
芸術的で「アニメってこんなに美しいっけ?」(昭和世代です(^O^))て言葉を失いました。
そして気がつくと、私はずっと号泣しっぱなしになっていて泣きすぎて呼吸が苦しかったです💦
炭治郎たちの勇敢な戦いに心を打たれ、私自身、「わたしのことだから、勧善懲悪の物語は正義の方に必ず、肩入れするのだろう」と想像していたのに、まさか正義感のかたまりの鬼殺隊のほうではなく、わたしが鬼の方に深く同情して泣けてたまらなくなるとは本当に予想外だったんです。
特に猗窩座(あかざ)の過去を知った時、私の胸は締め付けられ、もう息ができないくらいに感情が揺れてしまいました。(我ながら、感情移入が相変わらず、ヤバいです(◎_◎;))
隣の息子はわたしの泣きっぷりに「えぇぇー、ママどんだけ泣くの?」とプㇷ゚ッと笑いながら、若干ひいてました(笑)
でも私以外にも、大人は結構泣いてましたね



しかし、冷静に考えると鬼殺隊も、鬼側もどんなに過酷な人生を生きている集団なの⁈ 安穏な人生だと登場できない物語のようです(;’∀’)
あっという間の2時間強。「いや、もう感情持たないでしょ、助けてーww」と思ったら、やっとエンドロール。ほっとしました(苦笑)
👹鬼になった理由—それは愛着の傷だった
鬼たちの生育歴を見ていると、共通点が浮かび上がります。過酷な養育環境、そのために、愛着を結ぶことができなかった、しかし、その後に、縁のある他人との関係で、希望の光が見えた瞬間に訪れるさらなる絶望、
そして陥る深い人間不信
「これでは、鬼になってしまっても仕方ないかもしれない」
精神科医として、また愛着も扱っているマインド講座を開催している私にとっては彼らの姿が愛着障害そのものに映りました。
安全な愛着を築けずに育った彼らが、最終的に人を信じることができなくなり、自暴自棄になっていく過程が、あまりにもリアルで痛々しく、号泣し続けてしまったんです。
そこまで来ると、相手や世間を憎み、強くなって仕返ししていく。「弱者をさげすみ、強くなければ意味がない、ただ強くなりたい」それだけのために戦っています。
⭐対照的な鬼殺隊—愛着があるからこその強さ
一方で鬼殺隊の面々はどうでしょうか✨
炭治郎をはじめとする鬼殺隊たちは、幼い頃から家族のために生きてきました。色んな背景はあるものの、家族や親、兄弟、祖父母、一族のきずなが強くて、愛し愛され、尊敬しあい、支えあう愛情を感じてその心の土台がしっかりと育っています。(全部漫画を読んだわけじゃないので、映画を見ての感想です)
鬼に対しても「なるほどそうなっちゃったんだね。君はそっちを選んだんだね」
とか一定の理解を持ちつつ、でもその考えは許さないと、
大事な家族の仇討ち、未来の家族を守るために戦うんです。—彼らの行動原理は一貫して「他者への愛」です。
これこそが安全な愛着の力なのです。愛されて育った人は、愛することができる。信頼できる関係性を知っているからこそ、他者のために命をかけることができるのです。
死の瞬間に現れる「内観」という日本的な美学
最も印象深かったのは、キャラクターたちが死にゆく瞬間の描写でした。戦いで倒れそうになる時、彼らは必ずと言っていいほど自分の人生を振り返ります。
- 自分はなぜこうなったのか
- どんな風に生きてきたのか
- 一番影響を受けた養育者、親、師匠との思い出
この深い内観、自己対話の描写は、まさに日本人の精神性そのものではないでしょうか。欧米の作品とは明らかに異なる、この内省的で哲学的なアプローチ。これは日本人にしか作れない物語だと感じました。
私が一番引き込まれたのは猗窩座だった
みなさんはどのキャラクターに一番引き込まれましたか?
私は先述した、猗窩座(あかざ)でした。
猗窩座の自暴自棄に堕ちた人生。病気の父親のために薬を盗み、罪人の刺青を刻まれ、愛する人たちを失い、絶望の淵に立たされた彼の過去。だからこそ、最後に人間の心を取り戻して本当に良かった。恋雪ちゃんと共に燃えるシーンを見て、「浮かばれてよかった…」と心からほっとしました。
そしてこんなことを考えてしまいました。



「もし、あんな辛い境遇で鬼になる前に、あかざは自分で自分の心を癒していける道は無かったのだろうか? 素手で67人倒せるほどの怪力があるのなら、なんでもできる気がする。わたしなんて、最近、強炭酸水のペットボトルの蓋が開けられなくて困ったくらい(握力w)
敵への仕返しを自分で自分が幸せになるために使えたら、どんなによかっただろうか? 理想論かもしれないけど、やっぱりそれを考えてしまう。猗窩座の才能を善に変えたら、どんなふうに生きる道があったのだろうか?」
愛着障害から立ち直る道は、決してひとつではありません。適切な心の支援があれば、自分の思いさえあれば、いつからだって、何才からだって、彼の武術の才能も、人を想う心も、他人と信頼関係を構築する方法も、全く違った形で花開いていたかもしれないのです。



悔しいですよね・・・
私自身も「鬼側」だったからこそ
正直に告白すると、私自身も、ともすれば鬼側に行ったクチなのです。だからこそ、猗窩座の絶望と怒りが痛いほど理解できました。愛着に傷を負った人間の心の動きを、『鬼滅の刃』は恐ろしいまでの精度で描写していました。



私も私なりに大変なことを経験して、子供の頃「自分で自分を幸せにしよう」とそう決意して、精神科医になったんですよね。だから、あかざの気持ちは、よくわかるんです。
愛着障害は、決して珍しいものではありません。現代社会を生きる多くの人が、大なり小なり抱えている問題です。だからこそ、この作品はこれほどまでに多くの人の心を掴んだのかもしれません。(私も、このブログまで書いて、かなり心をつかまれちゃってますけどね💦)
大人ほど、親ほど心に響く物語
最初から最後まで引き込まれて、今年観た映画の1、2位に入る傑作です。
特に強く感じたのは「これは大人ほど、親ほど響く作品だ」ということでした。息子の付き添いのつもりが、完全に私の方が感動していました。
夏休み、親子で観てほしい理由
『鬼滅の刃』は単なるエンターテイメントを超えて、私たちの心の奥底にある愛着の問題を浮き彫りにします。鬼殺隊の強さも、鬼の悲しみも、すべては愛着のあり方から生まれているのです。
家族とは何か。愛着とは何か。信頼関係とは何か?
善悪をジャッジしないとは何か。心が空虚になるとどうなるか?
なんのために頑張って戦っているのか?
この夏休み、子どもの付き添いのつもりで観に行ったこの作品を通して、
私は自身の愛着の在り方や、人との関係、家族とのかかわり、自分の心や生き方を見つめ直すきっかけを得ました。
そして、私のように、みなさんもご自分の中に「鬼になってしまいそうな部分」を見つけたとしても、それを恥じる必要はありません。大切なのは、その傷を認め、癒していくことなのですから。
早朝上映で出会った3世代の家族たちのように、この作品はきっと親子の間に新しい対話を生み出してくれるでしょう。おススメです💛
💌おまけ「感想ありがとうございます」



(人”▽`)ありがとう☆感想うれしいです☆彡
みんなも↓のよっちゃん公式LINEから感想送ってね(o^―^o)





💫 【よっちゃんメソッドとは】
精神科医として3万人を見てきた経験と、
精神分析をはじめとする心理療法・脳科学の理解をベースにした
“よっちゃんオリジナルの癒しメソッド” 全開講座でお伝えしています。自分ひとりではアクセスできない心の深いところにふれていきます。「やめたいのに、なぜか繰り返すパターン」「理由はないのに不安になる」「頭では分かってるのに感情がついてこない」こういう“感情のクセ”って、昔の記憶や親との関係からひもづいていることが多いんです。自分ではコントロールしづらいし、よっちゃん自身も、いまだに向き合っています。よっちゃんメソッドでは、そうした無意識のパターンや心のクセに気づいて解放し、何才からでも自分の人生を能動的に動かしていきます。
※よっちゃんのメソッドや講座にご興味のある方は、最新情報を送りますのでLINEとメルマガ両方にご登録をお願いします。